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「怖いものみたさ」の心理とは

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毎日溶けそうに暑いですね…こう暑いと何とかして涼しくなる方法を考えてしまいます。
夏といえば「怪談話」。これはまだ扇風機とかクーラーなんてなかったような時代からある、
古典的な涼み方のひとつですよね。
実際に怖い話でぞーっとして体温が下がるとはあまり思えないのですが、
怖い話には涼しくなれるイメージがついているので、なんだかちょっと涼しさを感じられる気がします。
しかし実際にアンケートをとったところ、6割程度の人が「ホラー作品を見た後涼しくなった気がする」
と言っているので、まんざら迷信でもないようです。
人間の心理なんてそんな「思い込みや先入観」の部分が多いんですよね。
 
ひと昔前までは夏になると必ずテレビでも「怪奇特集」や「心霊特集」が放送されていました。
今はテレビの他にいくらでも別のところで見られるし、子供が怖がるから見せるなとクレームするモンスター親なども
増えていそうですね。R指定が厳しいということも「怖い話」というテーマは放送しづらいのかもしれません。
 
かくいう私はもの心ついた時から怖い話が大好きな子で、夏になると放映される
「あなたの知らない世界」という番組を心待ちにしていました。
また、夏休みになるとお小遣いを持って本屋さんへ行き「学校の階段」的なムックを毎回買っていました。
それを一人で部屋で読んでいると本当に怖くて、置いておくのも怖いので次の日に学校へ持っていく…
そうするとみんなに回っているうち、いつのまにかどこかへ行って帰ってこなくなるんです。
必然的に怖い話のネタはいくらでもあったので、放課後にクラスの友達を集めて
「怖い話を語る会」をやったりもしました。みんなが怖がってくれるのが楽しかったのもあるんだろうな。
そんな私は大人になって仕事で学研様の本社へ伺う機会があり、
「ムー編集部」という文字を見て密かに大興奮してしまいました。
訪れた先は別の部署なのですが、思わず「いつもお世話になっております」と挨拶してしまいそうになりましたよ…
 
最近では「ホラ活」なるものもあるらしいですよ。
ホラー映画や怖い話でストレスを解消する活動のことだとか…
怖い話なんて大嫌いで見る人の気が知れないという方もいるので、そういう方からしたら
「怖い話でストレス解消」なんて全く理解できないかもしれません。
しかしながら、脳において感情の恐怖を司る部位と、快感を司る部位には密接な関わりがあるそうです。
「怖いもの見たさ」という言葉に表されるように、そもそも人間は「怖いもの、恐怖心を刺激されるものに対して
強い興味関心がある」のだとか。
現実に「殺される・痛い目に遭う」というのとは違い、ホラー映画や怖い話を見聞きするだけなら、
自分の身の安心は確保された上で「恐怖体験」を楽しめることがわかっているので、
恐怖の後には快感がやってくるのですよね。
 
しかも怖い話には「芸術的感性」を高めてくれるという研究結果もあるそうです。
芸術においては「日常の安心で安泰で波風がない心理状態」だと、確かに尖った作品は生まれなさそうですよね…
だからと言って常にゾンビが襲ってくる中で生活しながら作品を作るのも辛そうではありますが…
 
猛烈な熱波に襲われているこの夏は、アイスを食べながら怪談作品を楽しんでみるというのもいいかもしれません。

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